AAの疑問

すぐわかるひろしまドッグぱーくトラブルQ&A

アーク・エンジェルズ(AA)の広島でのレスキュー問題に興味は持ったけど話の流れが分からない方はこちらで


Q20.BRC(放送と人権等権利に関する委員会)の申立の結果が出たってあったけど?

A.「いずれも名誉毀損や信用毀損はないし、その放送及びそのための取材活動において、放送倫理違反もない。」と判断されました。

AAは2007年1月5日付でBRCに「朝日放送ニュース情報番組「ムーブ!」が一方的な偏見報道及び憶測放送と恣意的な内容の連続的放送である」と申立てました。この申立を受けてBRCは次のような審理経過を経て8月3日に結論を出しました。

委員会決定、第33号 広島ドッグパーク関連報道を元に抜粋し、以下AAの主張と委員会の判断を並べて表にまとめてみます。

AAの申立の内容 放送と人権等権利に関する委員会の判断

「他の愛護団体を拒否して」との司会者の説明
このような事実はない。通報者は今までにいろいろな団体や行政に相談したが、どの団体もレスキューに入らなかった。アーク・エンジェルズが入ってからも、どの団体も現地に来ていない。

「他の愛護団体を締め出して占拠している…」とのコメンテーターの発言
どこの団体も協力を申し出てきたことはない。

「他の愛護団体を拒否して」との司会者の説明は、本件番組中の「他の愛護団体の協力を拒否して」との説明であり「他の愛護団体を締め出して占拠している…」とのコメンテーターの発言は、本件番組中の「他の団体を締め出して、占拠しているような感じになっている」との発言であるが、いずれも、「ムーブ!」取材班において、他の愛護団体、ボランティアスタッフ、及びアーク・エンジェルズ関係者からの証言に基づくものであると認められるから、いずれも重要な部分について真実と信ずべき相当の理由がある。

「透明性を装って…、過去にこういう事件を扱っていて通じるある匂いがするな」とのコメンテーターの発言
疑惑という先入観で見ているからこういう発言が出る。透明性を装う必要性がない。視聴者に疑惑を抱かせる言動である。

「透明性を装って…、過去にこういう事件を扱っていて通じるある匂いがするな」とのコメンテーターの発言は、本件番組中の「確かに、ホームページ(を)開いたりして、透明性を装ってはいるけれど、肝心のところは見えていないっていう。僕が週刊誌の記者のときに、犬を使ったんじゃない、この手のいろんな事件を取材しているときに通じるあるにおいがするな」との発言であるが、この発言は、上記司会者の説明とコメンテーターの発言を前提としてそのコメンテーターが指摘する「他の愛護団体が入ってくるのを拒否したっていう初期の問題」という部分を受けている。この部分は、前記のとおり、「ムーブ!」取材班において、他の愛護団体、ボランティアスタッフ及びアーク・エンジェルズ関係者からの証言に基づくものである。それゆえ、上記発言は、当該部分に対する意見ないし論評であるところ、人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものではない。

「支援金は3〜4倍は集まっている…」とのボランティアの発言
憶測のもとでの話を放送している。根拠のない発言である。

「治療費はほとんど、支払っていない」との獣医師会理事の談話
 医師会からは請求はこの時点ではないが、獣医師からの請求はきていて支払いも始まっている。獣医師会でもかかる経費は請求すると獣医師会会長は明言している。テレビに出ていた理事とは面識もないし、現地に来ていない人の発言である。

「時には犬の治療費を強いられたことも…」とのボランティアの発言
  ボランティアに治療費の負担をさせた事実はない。

「支援金は3〜4倍は集まっている…」とのボランティアの発言は、アーク・エンジェルズの呼びかけによる「ひろしまドッグぱーく」の放置犬救済のための募金について、申立人が5400万円集まったと公表しているのに対し、本件番組中のVTR録画によるボランティアが、「その3、4倍はあってもおかしくないじゃないかな」と発言したものである。同じく「治療費はほとんど、支払っていない」との獣医師会理事談は、本件番組中のVTR録画による広島県獣医師会理事の「金額の精算はします。請求するかどうかということについては、皆さんの意見を聞いて」の発言をふまえて、被申立人担当者が「確かに、広島県獣医師会はこれまで医療費の請求をほとんどしてきませんでした」と解説している部分である。
 申立人主張の「時には犬の治療費を強いられたことも…」とのボランティアの発言は、本件番組中のボランティアが延べ6802人集まっているが、食事、交通費は自己負担であり、「ときには犬の治療代の負担を強いられたこともあったそうです」とのボランティアの発言を解説する部分である。
  これらは、いずれも、いわゆる「ひろしまドッグぱーく」の募金についての収支及び使途に関する発言である。
 アーク・エンジェルズによれば、「ひろしまドッグぱーく」の放置犬を救助するために集った寄付金は、2006年11月25日のホームページ上に5911万円であると説明されている。これに対し、銀行振込みだけでなく支援物資の中に現金を入れた分や現金書留分もあることから、ボランティアスタッフが、寄付金は、「その3、4倍はあってもおかしくないんじゃないかな」と発言したものであると解される。
 アーク・エンジェルズの2007年2月27日の記者会見によれば、2006年4月1日から2007年1月31日までの収入は、一般募金6410万7796円、シェルター募金5748万2306円の合計1億2159万0102円で、残高は1億0371万1973円であるから、募金からの支出は、1787万8129円である。また、募金の推移は、2006年8月末残高326万5428円、9月入金1407万6703円、10月入金9752万3560円、11月入金117万5555円、1月入金△269万3510円(組み戻しのためにマイナス処理)と報告された。
 また、2007年2月27日の記者会見においては、救助犬を保護するためのシェルター建設を目的とする「シェルター募金」について、申立人は、募金当初から「「ひろしまドッグぱーく」の募金と「シェルター募金」は分けて募集している」と説明しているが、それ以前、本件番組にかかる「ムーブ!」の取材の際には、両募金が区別されているとの説明はなかった。
 これらの事実をふまえると、2006年11月27日の放送の時点で、ボランティアスタッフが、「ひろしまドッグぱーく」の募金額がアーク・エンジェルズの公表にかかる5400万円にとどまらず、「その3、4倍はあってもおかしくはないんじゃないかな」と推測し、これを本件番組で紹介することは、その重要な部分、すなわち、寄付金額が5400万円にとどまらず相当程度に多いという点において、真実または真実と信ずべき相当の理由があったということができる。
 次に、「確かに、広島県獣医師会はこれまで医療費の請求をほとんどしてきませんでした」との解説部分は、上記のとおり集金された「ひろしまドッグぱーく」の募金の使途についての事実の摘示であるところ、本件番組11月27日放送分の広島県獣医師会理事の談話にあるとおり、同獣医師会はその時点まで医療費の請求をほとんどしていなかったことは真実である。この談話部分は、そもそも、医療費の支払いがほとんどないことの摘示であることから判断するに、申立人の社会的評価を低下させてはいないから、名誉毀損とはならないともいえるが、仮に、「ひろしまドッグぱーく」の募金の使途として、これを医療費の支払いに充てないことをもって、申立人の名誉を毀損していたとしても、この事実の摘示は重要な部分において真実である。
 また、「ボランティアの話によりますと、ときには犬の治療代の負担を強いられたこともあったそうです」との司会者の発言について、「ムーブ!」取材班は、ボランティアが体調不良の犬の治療を申し出たところ、申立人からその必要はないと断られたために、自ら獣医師に治療を依頼し、治療費を支払ったということで、その領収証もあるということを、複数のボランティアスタッフから確認しているとのことである。したがって、この司会者の発言における事実の摘示は、真実と信ずべき相当性がある。

「林さんが過去に何をやっていたのかを調べている」とのコメンテーターの発言
  私個人の過去を暴くことは何の目的なのか、公の場での発言は、放送権力の乱用ではないか。

「林さんが過去に何をやっていたのかを調べている」とのコメンテーターの発言は、本件番組中の「林さんの、あなたが過去に何をやってきた人かということを今番組では非常に調べています」の発言部分である。この発言部分は、本件番組の11月28日放送分において、「ひろしまドッグぱーく」の募金の使途についての疑問や、申立人が「ひろしまドッグぱーく」の土地所有者に対する過剰な要求をしているのではないかという疑いを指摘したことを前提として、その疑いを解明するためにアーク・エンジェルズの代表者である申立人が「過去に何をやっていたのかを調べている」という事実を摘示したものであり、このことは真実である。しかし、このコメントは、申立人の社会的評価を低下させる不適切な発言ではあるものの、過去を調査中であるという事実の摘示それ自体が申立人の名誉を毀損するものではなく、信用の失墜も認められない。

「シェルターを作ると言っているのは、ふっと思いついた」とのコメンテーターの発言
  シェルターを作る計画は1年前から計画しており、団体のホームページでも公開し、シェルター基金の募集もしている事実がある。ふっと思いついたものではない。

「シェルターを作るといっているのは、ふっと思いついた」とのコメンテーターの発言は、本件番組中の「昨日(11月27日放送分)のシェルターを作るというインタビューを聞いて、シェルターを作るということが、ふっと出てきた感じがすごいし」との発言部分である。上記のとおり、11月28日の時点では、「ひろしまドッグぱーく」の募金と「シェルター募金」とが区別されているとの説明はなかったのであるから、「ひろしまドッグぱーく」募金の寄付額をもってシェルターの建設費用に充てるということが、「ふっとでてきた感じがすごい」と意見ないし論評されたものであるところ、この意見・論評には、人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものとはいえない。

「5000万円を要求しているのは、言っていない、記憶にない。というのはおもしろい」とのコメンテーターの発言
  こういう人を小ばかにしたような、視聴者にもいかにも裏があるような発言はいかがなものかと思う。

「5000万円を要求しているのは、言っていない、記憶にない。というのはおもしろい」とのコメンテーターの発言は、申立人が大前氏に対し高額の費用を要求している事実の存否について、「ムーブ!」取材班が申立人に対しインタビューで問い質したのに対し、申立人が、そのような高額の費用を要求したことは「記憶にない」「言っていない」と答えたやりとりが前提となっている。上記コメンテーターの発言は、このやりとりを前提として、コメンテーターが申立人の回答を「おもしろい」と論評したものであるが、特に申立人に対する人身攻撃に及んだものではない。

「80万円の持参金を付けて渡したらいい」とのコメンテーターの発言
  犬のことを何も知らないで、支援金を単に残り頭数で割って持参金を付けて譲渡をするなど、もってのほかの言動である。動物愛護活動においては、常識では考えられない発言であり、申立人を誹謗している。

「80万円の持参金を付けて渡したらいい」とのコメンテーターの発言は、本件番組中の「犬1頭当り今80万円の財産をお持ちですよ」及び「持参金をつけてあげられるわけだし」との発言部分である。犬1頭当り80万円というのは、11月28日当時に集まっていたと公表されていた「ひろしまドッグぱーく」の募金残金約5400万円を、残存している犬70頭で頭割りすると犬1頭当り約80万円になることから、1頭当り持参金80万円をつけて放置犬を譲渡することもできる旨の意見を述べたものであるが、人身攻撃に及ぶなど意見としての域を逸脱したものとはいえないから、名誉毀損は成立しないし、社会通念上許された限度を超える信用の失墜ともならない。

「『5000万円、支援しろ』『土地を寄付しろ』と要求をしている」との司会者の説明
 このような会話はしていない。会話には前後の会話があり、単純に要求をしているものではない。「ひろしまドッグぱーく」の土地所有者の大前氏が会話を録音していたとのことだが、そういう事実はない。私を会食に誘い誘導した会話があったが強要などはない。警察が告訴を受けて捜査をしているのであれば相当な発言だと思うが、そういったことはない。恐喝未遂容疑が確定した罪になっているとしたら、そういう風に言われても仕方ないと思うが、現段階では何も確定はしていない。

「『5000万円、支援しろ』『土地を寄付しろ』と要求している」との司会者の説明は、本件番組中の「林代表は、大前氏に対し、5000万円を支援しろ、自分に土地を寄付しろという強い形での要求を突きつけたんです」という発言である。本件番組中の11月27日放送分においては、申立人と大前氏の会話の詳細な記録を「ムーブ!」が入手したとして、大前氏本人が申立人から5000万円くらいは用意してもらいたい旨の要求があったことを述べている。11月29日分の司会者の説明は、この大前氏の発言をくり返し説明したものであるところ、その重要部分において真実または真実と信ずべき相当の理由があったということができるから、この司会者の発言については名誉毀損は成立しないし、社会通念上許された限度を超える信用の失墜にも該当しない。

「録音した内容を入手」との司会者の説明
 「ムーブ!」が隠し録音をさせていた。10月5日に隠しマイクが発覚した。取材記者が、あるボランティアのことを名指しでしゃべった。「こちらから誘ったわけではない」と司会者が言っているが、実際は「ムーブ!」が隠しマイクを持たせていたことが2回目のミーティング時に発覚した。隠しマイクを保持していたボランティア自身がマイクを持っていたことを認めているし、隠しマイクを保持した日の翌日の「ムーブ!」の放送にその内容が出ている。

申立人は、「録音した内容を入手」との司会者の説明を放送倫理上の問題とし、これは、申立人らとボランティアとのミーティング時に「ムーブ!」取材班がボランティアに対し隠しマイクを持たせていたものであって、このことは、隠しマイクを保持していたボランティア自身がマイクを持っていたことを認めているし、隠しマイクを保持した日の翌日の「ムーブ!」の放送にその内容が出ていることから明らかであると主張している。
 これに対し、被申立人は、上記12月4日放送分及び12月6日放送分について、いずれもボランティアにマイクを持たせて録音を依頼したという事実はないと反論している。
 本件の場合、「ひろしまドッグぱーく」の放置犬の救助にあたり、アーク・エンジェルズのボランティアスタッフが録音をしていたことに争いはないが、被申立人は、ボランティアが録音したテープの提供を受けたと主張するにとどまり、これ以上に、被申立人においてボランティアにマイクを持たせて録音を依頼したという事実は、明らかには認められない。

「大前氏と「ムーブ!」が組んで、と言われているが事実無根です」との司会者の発言
 現実に大前氏、「ムーブ!」の取材記者、愛護団体「日本アニマルトラスト」の代表者と打ち合わせている事実があった。大前氏側の人間が「ムーブ!」のディレクターより5万円の情報料を振込みにてもらい、同代表者より20万円を情報料として振込みを受け、当団体に関する情報を極秘に入手しようとしていた。振込みを証する通帳のコピーがある。大前氏側の人物が告白しているビデオテープもある。

申立人が主張する「大前氏と「ムーブ!」が組んで、と言われているが事実無根です」との司会者の発言は、本件番組中の「大前氏と「ムーブ!」が組んでスパイを送り込んでいるといった主張をしているんですが、これは全くの事実無根です」との発言であるところ、「ひろしまドッグぱーく」の経営者であり土地所有者である大前氏と「ムーブ!」の取材班とが組んでスパイをアーク・エンジェルズに送り込んでいるとのアーク・エンジェルズ側の主張に対し、その事実を否定する旨の発言であり、この発言をもって、ただちに申立人の社会的評価を低下させるものではない。

「ミーティング会議の様子」を隠しマイクにて録音
 この日のボランティアとのミーティングを隠しマイクで録音し、それが発覚した。その録音テープは、ボランティア同士のトラブル会話を、申立人とボランティアとがトラブルになっているように編集されていた。隠しマイクが発覚してすぐに、外部で待機していたマスコミ数社が退散した。現場に居合わせたボランティア20人が証人であるが、この隠しマイクを付けていたのは、あるボランティアで、同人は、「ムーブ!」の協力者であった。

申立人は、「ミーティング会議の様子」を隠しマイクにて録音したことも放送倫理上の問題とし、ボランティアとのミーティングを隠しマイクで録音し、それが発覚したが、この隠しマイクをつけていたのは、あるボランティアで、同人は、「ムーブ!」の協力者であったと主張している。
 これに対し、被申立人は、上記12月4日放送分及び12月6日放送分について、いずれもボランティアにマイクを持たせて録音を依頼したという事実はないと反論している。
 本件の場合、「ひろしまドッグぱーく」の放置犬の救助にあたり、アーク・エンジェルズのボランティアスタッフが録音をしていたことに争いはないが、被申立人は、ボランティアが録音したテープの提供を受けたと主張するにとどまり、これ以上に、被申立人においてボランティアにマイクを持たせて録音を依頼したという事実は、明らかには認められない。   したがって、申立人の隠しマイクについての上記主張だけでは、これをもって直ちに放送倫理上も問題があったとは判断することはできない。

「犬のことを知らない、犬に愛情がないなどの不満が出て、お金を集めるためにやったと皆が言っている」とのコメンテーターの発言
 この発言は、申立人を始め動物愛護団体に対する屈辱的な発言である。スタッフを始め多くのボランティアが時間と労力を割いて犬たちのために無償で活動している申立人らに対する、暴挙ともいえる発言である。一部の反対派、ごく一部の「ムーブ!」の方針に賛同しているボランティアの意見を述べているものであり、賛成派の意見を一つも紹介しないことは不合理である。

「犬のことを知らない、犬に愛情がないなどの不満が出て、お金を集めるためにやったと皆が言っている」とのコメンテーターの発言は、本件番組中の「ボランティアのこれまでの発言は、結局『(申立人は)犬のことを知らない人じゃないか』というのが1つと」、「それから犬に対して愛情がないというのが、まず1番の不満で、だから結局お金を集めるためだけにやっているんじゃないかという疑惑をみんな持っているということですね」という、申立人に対する意見ないし論評である。この意見ないし論評は、12月11日に申立人がアーク・エンジェルズ代表として記者会見し、「ひろしまドッグぱーく」の募金額が6025万円集まり、一部使用し、残金が5307万円であると発表したことや、アーク・エンジェルズは支援金があるのに、すぐにでも必要な物を購入しない、とボランティアスタッフが証言していることなどをふまえてなされたものであるところ、その前提となる事実の重要な部分において真実または真実と信ずべき相当の理由があり、当該意見ないし論評も、人身攻撃に及んだものではない。

「『希少犬種がいなくなっている、レスキュー後に産まれた犬がいない』などの情報をください」とのコメンテーターの発言
 希少犬種は存在していないし、子犬がたくさん産まれたこともない。これも噂のみの事由である。なお、レスキュー後に産まれた子犬は5頭で、1頭は死亡、現在4頭が事務所にいる。コメンテーターが「情報をください」とメディアを通じて発言をしていること自体が、一般の視聴者に大きな疑惑を呼んだのであり、その責任は大きい。

「子犬の行方、希少犬種の行方の情報提供を「ムーブ!」に。これは新たな犬の命を救うことになる」とのコメンテーターの発言
 犬と希少犬種が行方不明との発言だが、広島市も頭数を把握しているし、1週間に一度は譲渡頭数も広島市に報告している。全頭の犬の行方は判明しており、疑惑など一切ない。「子犬の行方、希少犬種の行方」などは、ネットサイト上の話題でしか分からなかった噂にすぎない。コメンテーターが「情報をください」とメディアを通じて発言していること自体が、一般の視聴者に大きな疑惑を呼んだ。

「『希少犬種がいなくなっている、レスキュー後に産まれた犬がいない』などの情報をください」とのコメンテーターの発言は、本件番組中の「消えた犬、消えたワンちゃんたち、これの行方には僕は非常に興味があります。狭い業界ですので、その中でこういう犬の行方とかの情報を、気がついたことがあればぜひ「ムーブ!」に情報をいただけたらと思います」の発言部分である。
 「消えた犬、消えたワンちゃんたち」とは、希少犬種やアーク・エンジェルズの救援後に産まれた子犬を意味するところ、ボランティアスタッフからは、これらの犬がいなくなっているとの疑問が摘示された。さらに、「ムーブ!」取材班の取材によれば、ボランティアスタッフからは、譲渡された犬の中には、妊娠していた犬が複数いたとの証言や、アーク・エンジェルズは譲渡先で産まれた子犬について、所有権はアーク・エンジェルズにあると言って、引き取ってきたとの証言がある。また、譲渡先も、アーク・エンジェルズによる子犬の引き取りを認めている。さらに、本委員会の広島市社会局保健部動物管理センターに対する聴取によれば、同管理センターが把握した犬数は、アーク・エンジェルズが同管理センターに最初に報告した580頭には満たず、不明の頭数については、その後も格別の合理的な説明はなされていないと認められる。これらの事実に照らし、「消えた犬、消えたワンチャンたち」との事実の摘示は、真実と信ずべき相当の理由がある。上記コメンテーターの発言は、この事実の摘示を前提とする意見ないし論評であるところ、「非常に興味がある」、「情報をいただけたらと思う」というものであって、特に、申立人の人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものではない。
 「子犬の行方、希少犬種の情報提供を「ムーブ!」に。これは新たな犬の命を救うことになる」とのコメンテーターの発言は、本件番組中の「高い犬といいますか、血統のいい希少な犬の姿が消えているという事実があります。ボランティアの話では、生まれている犬も何十匹もいる可能性がある。その姿が今のところ見当たらないんです。…是非「ムーブ!」まで情報を寄せてください。これはあなたが犬の命を救うことになるかも知れません」の発言部分である。この発言部分中、「高い犬、血統のいい希少な犬の姿が消えている」及び「生まれている犬も何十匹もいる可能性がある。その姿が今のところ見当たらない」との事実の摘示は、上記「消えた犬、消えたワンちゃんたち」との事実の摘示と同様に、真実と信ずべき相当の理由がある。  また、「是非「ムーブ!」まで情報を寄せて下さい。これはあなたが犬の命を救うことになるかも知れません」との発言部分は、上記事実の摘示を前提とする意見であるところ、特に、申立人の人身攻撃に及ぶなど意見としての域を逸脱したものではない。

「ないものを編集したら放送の自殺行為です」とのコメンテーターの発言
  現実にミーティングの際の会話でボランティア同士の争い、隠しマイクを持っていた男性との争いを、申立人とボランティアとの争いの会話に編集して放送した。

「ないものを編集したら放送の自殺行為です」とのコメンテーターの発言は、本件番組中の「ないものを作ったらそれは報道の自殺ですから」との発言であるところ、申立人が本件番組についてテープを編集したりしているので信用できないと主張しているのに対し、これを否定する旨の発言である。すなわち、本件番組は、事実を曲げて、ないものをつくりあげた放送ではなく、現に取材した中で、あるもので話をしようとしていることを述べたにすぎず、この発言をもって、ただちに申立人の社会的評価を低下させるものではない。

「緊急避難的に預かった」とのペットショップのオーナーの発言
 申立人を含むスタッフ全員が大阪に戻る予定だったので、一時的に知り合いに犬たちを預けたのであって3日後には引き取りに行っている。しかも、犬たちはすべて里親が決定していた。事前にペットショップのオーナーの取材をしていながら、広島から豊中市まで搬送をしている車を尾行して、あたかも事件性があるような放送であった。3日後に引き取りに行った際にも、「ムーブ!」が待ち受けて放送をした。

「緊急避難的に預かった」とのペット関連店のオーナーの発言は、本件番組中、「林代表夫妻とは古くからの知り合いだという経営者。広島の犬たちはあくまで緊急避難的に預かっただけだと言います」との解説部分である。本件番組中、この解説部分の直前に、「ムーブ!」取材班によるペット関係店の経営者に対するインタビューで、「林さんからお電話いただいて、『預かってくれないか』ということで」預かったとの説明がなされていることから、この解説部分は、真実または真実と信ずべき相当の理由があるし、「緊急避難的」との表現に、意見ないし論評を含んでいると解しても、申立人に対する人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものとは解することができない。

「逃げ出すように出て行く」とのコメンテーターの発言
 広島から犬たちを移動することを阻止した一部の理解のないボランティアの騒動に巻き込まれた結果にすぎない。どうして私たちが逃げ出さなければいけないのか。後ろめたさもないし、どうしてこのような発言が放送で出るのか。視聴者に疑惑を煽るような発言である。

「出て行けとは言っていない」とのコメンテーターの発言
 土地所有者の大前氏から再三にわたり、年内退去を迫られている。12月25日付で「ひろしまドッグぱーく」を撤退する念書も提出している。

「がさ入れがあって居心地が悪い」とのコメンテーターの発言
 警察が現場検証に来たが、これは当団体が告発をした現場検証であって、申立人らが居心地が悪いことはない。コメンテーターの発言は不自然である。

「逃げ出すように出ていく」とのコメンテーターの発言は、本件番組中、「悪い言い方をすると逃げ出すようにして出ていかざるを得ないのか」との発言部分である。申立人主張の「出て行けとは言っていない」とのコメンテーターの発言は、本件番組中、「別にさっさと出て行ってくれなんて誰も言っていないわけです」との発言部分である。申立人主張の「がさ入れがあって居心地が悪い」とのコメンテーターの発言は、本件番組中、「警察のがさ入れも入ったりして、何となく居心地が悪いという」との発言部分である。
 これらの発言部分は、いずれも、アーク・エンジェルズが、「ひろしまドッグぱーく」の放置犬の救助活動を終結して、大阪への撤収を開始したこと、さらにこの撤収をめぐってボランティアとの間で逮捕者も出るほどの騒ぎが起きたこと等を前提とし、そのうえで、「ムーブ!」が放送してきた、「ひろしまドッグぱーく」の募金の額や使途が未だ明らかでないことや、援助物資がなくなっている理由が明らかでないこと等の事実を指摘したことについての意見ないし論評である。コメンテーターは、上記募金の収支や使途及び援助物資の行方についての疑問についてアーク・エンジェルズが明確に回答していないという認識を前提として、「悪い言い方をすると逃げ出すようにして出ていかざるを得ないのか」、「別にさっさと出ていってくれなんて誰も言ってないわけです」と論評したものであって、申立人に対する人身攻撃に及ぶなど論評としての域を逸脱したものとは解することができない。
 「警察のがさ入れも入ったりして、なんとなく居心地が悪いという」との発言部分については、その直後に、「あのがさ入れはあくまでも『ひろしまドッグぱーく』のもともとの虐待行為に対するがさ入れだったんですけど」との説明がなされ、そのうえで、「なんとなく居心地が悪くなったので、ちょっと出ていこうとしているというふうにも見えますね」とくり返し論評しているが、これら前後の説明とあわせて判断するに、この発言部分も、アーク・エンジェルズの「ひろしまドッグぱーく」からの撤収にあたり、申立人に対する人身攻撃に及ぶなど論評としての域を逸脱したものとは解することができない。

「何の目的か、闇の部分が見えてこない」とのコメンテーターの発言
 頭から悪いと決めてかかっているので、こういう言葉が出るのだろうか。闇も何もない。収支報告はレスキューが完結したら報告すると再三にわたり明言し、2007年1月27日に報告をした。また、アバウトであることを前提での中間報告もしていた。

「何の目的か、闇の部分が見えてこない」とのコメンテーターの発言は、本件番組中の「何か一番の真実の闇の部分が見えてこないですね」との発言部分である。この発言部分は、このうちの「真実の闇の部分」とは上記募金の収支や使途及び援助物資の行方等についての疑問が摘示されていることを前提として、その疑問自体がまだ解明されずにアーク・エンジェルズが「ひろしまドッグぱーく」から撤収を開始したという事態において、「何か一番の真実の闇の部分が見えてこない」旨意見ないし論評したものである。上記募金や援助物資についての疑問があることは真実または真実と信ずべき相当の理由があり、また、この意見ないし論評も、申立人に対する人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものとは解することはできない。

「ボランティアを『面倒くさいから放り出したんでしょ』」とのコメンテーターの発言
  申立人らもボランティアで善意の活動なのに、どうして面倒くさいからと放り出すのか。放送の意味合いを理解していない、補足説明もない発言であるが、悪意に満ちた個人的な感覚での発言は訂正してほしい。

「ボランティアを『面倒くさいから放り出したんでしょ』」とのコメンテーターの発言は、本件番組中の「(ボタンの)かけ違いというよりもね、何かめんどくさいから追い返したんでしょ」の発言部分である。この発言部分は、アーク・エンジェルズに対し、広島や大阪のボランティアが犬の譲渡先の公開の要求、及び新しく作ったボランティア団体が、「ひろしまドッグぱーく」から撤収を開始したアーク・エンジェルズに代り残された放置犬の受け皿になることを求めたということが前提となっている。「ムーブ!」取材班は、ボランティアとアーク・エンジェルズの交渉経過を取材しているが、この交渉の結果、犬の譲渡先の公開を求めたボランティアに対して、アーク・エンジェルズ側は「弁護士と相談した結果、個人・団体名も言えない」と回答した。また、新しくボランティアが作った団体が放置犬の受け皿になるという要求に対しては、「その団体の参加者を明らかにしなければ犬は渡せない」という回答であった。このため、本件番組の司会者は、アーク・エンジェルズと、犬の譲渡先の公開を求めたり新しく団体を作ったボランティアとの間では、「ボタンのかけ違いというのはどんどん広がっていく感じですね」と論評したが、これに対し、コメンテーターは、「(ボタンの)かけ違いというよりもね、何か面倒くさいから追い返したんでしょ」と上記交渉の経過及び結果について論評したものである。この論評も、申立人に対する人身攻撃に及ぶなど論評としての域を逸脱したものと解することができない。

「迷走ですね」とのコメンテーターの発言
  団体のボランティアへの説明は一貫している。食い下がって抵抗している一部のボランティアを対象に取材しているので、「迷走」という発言になっていると考えるが、始めから悪いという先入観での言葉としか聞こえない。

「迷走ですね」とのコメンテーターの発言は、本件番組中、コメンテーターが「迷走という感じですね」と論評している部分である。この論評の前提として、「ムーブ!」の司会者が「犬のことにしても、お金のことにしても、あるいは物資のことにしても、何らかの動きをする前に、納得がいく説明が1個でもあれば、こういうことにはならないような気がするんですが」と解説している。この場合における「犬のこと」とは、希少犬種や子犬が行方不明になっているのではないかという疑いである。「お金のこと」とは、「ひろしまドッグぱーく」募金の総額、収支、使途についての疑問が摘示されていることである。「物資のこと」とは、救護物資がなくなっていることについてアーク・エンジェルズにおいて合理的な説明がなされていないとボランティアが主張していることである。「こういうこと」とは、アーク・エンジェルズが大阪のペット関連店のオーナーに放置犬を一時預けたが、同オーナーが「次の行き先が明らかになるまでボランティアと協力して犬を保護していく」ということでアーク・エンジェルスに対する犬の引渡しを拒否した事実の摘示である。
 本件論評部分は、この司会者の解説を前提として、「迷走という感じですね」と論評し、さらに、「その場しのぎでの迷走なので、なぜこうなったか、なぜこうやるのかというところが、おそらくその行動している本人たち、つまりアーク・エンジェルズサイドが分かってないんじゃないか」とくり返し論評している。この論評の前提としての、アーク・エンジェルズにおいて、希少犬種や子犬が行方不明になっているのではないかとの疑い、「ひろしまドッグぱーく」募金の総額、収支、使途についての疑問、及び救援物資がなくなっていることについての合理的説明がなされていないことが摘示されているが、この摘示は、真実または真実と信ずべき相当の理由がある。これを前提として、アーク・エンジェルズ側の対応を「迷走という感じ」と論評しているのであるが、この論評は、ことさらに申立人に対する人身攻撃に及ぶなど論評としての域を逸脱したものと解することはできない。

「テレビで出れば出るほど、ダークで、善意で看板にしてどんどん悪くしている」とのコメンテーターの発言
  「ダーク」という表現も、始めから悪いという先入観での言葉としか聞こえない。広島市には犬の譲渡先の氏名と住所の区までを報告し、寄付金の収支報告もしている。

「テレビで出れば出るほど、ダークで、善意で看板にしてどんどん悪くしている」とのコメンテーターの発言は、本件番組中の「この代表はテレビに出れば出るほどダークな部分がふくらんでいく」との発言部分である。コメンテーターによれば、このダークの部分とは、「犬の関連ショップに集まったボランティアの人が、『ダークな部分を解決してくれればいいんだ』というふうに言った」という発言部分における「ダーク」を引用したものであるところ、本件番組の12月20日放送分では、アーク・エンジェルズにおいて、希少犬種や子犬が行方不明になっているのではないかとの疑い、「ひろしまドッグぱーく」募金の総額、収支、使途についての疑問、及び救援物資がなくなっていることについての合理的説明がなされていないことを摘示しているが、この事実の摘示は、真実または真実と信ずべき相当の理由がある。この事実の摘示を前提として、「この代表はテレビに出れば出るほどダークな部分がふくらんでいく」と論評されたものであるが、この論評も、当該事実の摘示を前提とする限り、不適切ではあるものの、ことさらに申立人に対する人身攻撃に及ぶなど論評としての域を逸脱したものと解することはできない。

譲渡先の里親、広島県内の7人に対して、「譲渡後のケアがあったか。全員が連絡なし、譲渡後のケアは行われていない」との司会者の発言
 580頭いた犬の里親全員に確認をした結果であれば納得できることだが、たった7人の結果で譲渡後のケアをしていないという評価はおかしい。それも一部の反対派による証言のみと思われる。他の里親には、順次ケアを行っているし、まだレスキュー活動中である。すべては活動が終結を迎えてからケアが始まるものである。2007年3月15日、16日に大阪から広島に向かい里親宅を訪問して飼育状況を確認している。

「ワクチンを打っているかいないか」とのコメンテーターの発言
  すべてカルテがあり、それによってワクチンを打っているかいないかは判る。このことを調べて放送をしていない。

「なぜ、最低限のことをしないのか、愛犬家としてはおかしい」とのコメンテーターの発言
  広島県獣医師会の指導と立会いのもと、1頭ごとのカルテも作成してもらい管理をしている。最低限のことをしていないというのは、何をさすのか明らかでないし、調査しないでの発言である。

譲渡先の里親、広島県内の7人に対して、「譲渡後のケアがあったか。全員が連絡なし、譲渡後のケアは行われていない」との司会者の発言は、本件番組中の司会者による、「一番心配していた『譲渡後アーク・エンジェルズからの連絡はあったのかどうか』ということですが、これに対して全員が『犬をもらった後は連絡はなかった』というふうに答えたわけです。つまり譲渡後のケアは行われていないということです」の解説部分である。
 この解説部分は、ボランティアたちが「ひろしまドッグぱーく」から犬を譲渡された、広島県内に住む飼い主7人に対し独自にアンケートを実施し、その結果を「ムーブ!」取材班が取材したことに基づくものである。アンケート結果によれば、「譲渡後アーク・エンジェルズからの連絡はあったのかどうか」という質問に対し、飼い主7人全員が「犬をもらった後は連絡はなかった」と答えた、つまり、譲渡後のケアは行われていない、ということであった。すなわち、この解説部分は、アンケート結果に基づく事実の摘示であり、真実または真実と信ずべき相当の理由がある。
 引き続き申立人が主張する「ワクチンを打っているかいないか」とのコメンテーターの発言は、本件番組中の「一番飼い主が気になるのは、そのワクチンを本当に受けているかどうかというところだと思うんですね」の発言部分である。また、同じく、「なぜ、最低限のことをしないのか、愛犬家としてはおかしい」とのコメンテーターの発言は、本件番組中の「なぜ最低限のことをしないのか。愛犬家とは思えない」との発言部分である。
 アーク・エンジェルズは、2006年12月11日に記者会見を開き、「ひろしまドッグぱーく」の募金は9月から11月までに6026万円集まり、救出活動に使った支払額は718万円であると報告していた。また、本件番組11月27日放送分では、犬の医療費について、ボランティアが「実際にはそれもほとんどお金は使われていないんですよね。ボランティアという名目で、獣医師会が持たれてたりとか、病院に搬送していっても、病院代請求するところは二度と行かないみたいね」と発言している。また、本件番組12月21日分によれば、犬を引き取った飼い主から「ムーブ!」に対し「引き取ってから今までにかかった医療費を領収書も添えて請求したら、それは飼い主負担だから出せないとはっきり言われた。犬を飼い始めるときにかかるワクチンや駆虫剤などの初期費用で、1万円にも満たないのに、なぜ出してくれないのか」というメールが寄せられている、との発言がある。これらの事実に照らすと、アーク・エンジェルズが「ひろしまドッグぱーく」の放置犬580頭すべてについて三種混合ワクチンを打ったうえで譲渡したという事実が認められないことは、真実または真実と信ずべき相当の理由がある。この事実をふまえてのコメンテーターによる「一番飼い主が気になるのは、そのワクチンを本当に受けているかどうかというところだと思うんですね」との発言部分及び「なぜ、最低限のことをしないのか。愛犬家とは思えない」との発言部分は、いずれも、申立人個人の人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものとはいえない。

「アークエンジェルズは逃げたってことですか」とのコメンテーターの発言
なぜ、いつも悪人というイメージで話すのか。申立人らは、逃げてはいない。

アーク・エンジェルズは逃げたってことですか」とのコメンテーターの発言は、本件番組中、「どこかに行ってしまわれたということは、これは逃げられたということですか、結局」との発言部分である。この発言部分は、その直前に「3つの疑問点、これが解決しないまま、1つとして解決しないまま」との説明がなされている。この「3つの疑問点」とは、上記「ひろしまドッグぱーく」募金の収支及び使途、救援物資がなくなること、及び本件番組解説者のいう「ひろしまドッグぱーくの土地所有者への土地と金銭の要求、これが脅しに当るのではないかという疑惑」を意味するところ、これらの疑問点が未だ解明されていないことは真実または真実と信ずべき相当の理由がある。これを前提として、コメンテーターは、アーク・エンジェルズの撤収について、「どこかに行ってしまわれたということは、これは逃げられたということですか、結局」と論評したのであるところ、この論評は、申立人の人身攻撃に及ぶなど論評としての域を逸脱したものとは解することができない。

「認証団体の件で大阪市は認証していない、こういったことで実績を隠そうとしている」との司会者の発言
 大阪市では、過去1年間、テストケースで成犬譲渡を実施し始めて実績を作ってきている。2005年10月には大阪市のホームページにて公表するとの内定をもらっていた。印刷物は内定後に作成した。今でも大阪市の団体譲渡用の用紙にて保護犬を収容している。ただ、「ひろしまドッグぱーく」のレスキューが2006年9月26日に始まり、大阪事務所近隣から苦情が出たため、一旦保留になった。しかし、その後は大阪市で団体譲渡を実施している。公式には認定はないが、実際には内定で実施している。

認定団体の件で大阪市は認証していない、こういったことで実績を隠そうとしている」との司会者の発言は、本件番組中の「大阪市は認定団体ということを認定していないわけで、こういったことで実績を隠そうというか、補おうとする」との発言部分である。
 アーク・エンジェルズは、団体等登録については、飼養希望者選定基準8「動物管理センターが実施する指導、調査及び事業等に協力できること」等を満たしていないことを理由に、2007年1月25日付「団体等登録申請の却下について(通知)」と題する書面において、登録申請を却下されている。同基準8違反の具体的理由は、「『大阪市認定団体第1号』という名称を用いたことについて、中止するよう申し入れを行ったにもかかわらず使用を中止しなかったこと」とされている。
 上記発言の前段「大阪市は認定団体ということを認定していない」の部分は真実である。上記発言の後段「こういったこと(大阪市の認定団体ということ)で実績を隠そうというか、補おうとする」の部分は、上記発言の前段部分を前提とした論評であるところ、申立人個人の人身攻撃に及ぶなど論評としての域を逸脱したものとはいえない。

「いただいたノシ袋をポケットに入れた」とのコメンテーターの発言
  いかにも横領したかのような人権侵害発言である。公然の場所で受け取りポケットに入れているので問題はないし、報告も記載もしている。人格を無視した発言である。

「いただいたノシ袋をポケットに入れた」とのコメンテーターの発言は、本件番組中の「いただいたそれをいきなりのし袋のままポケットに入れていたということであれば、いくら収支報告書を出してくれたって、『あのお金記載されたのかな』って、わかりようがないじゃないですか」という発言部分である。この発言部分は、上記のとおり、アーク・エンジェルズにおける「ひろしまドッグぱーく」の募金の総額、及びこれまで支払ったという医療費、並びにその収支明細が12月28日の時点においても不明瞭であるという事実の摘示について真実または真実と信ずべき相当の理由があることを前提として、現金で交付された募金を仮にそのまま流用すれば、収支報告書の公表を求めてもその募金の収支が明確にはならないことを、比喩的に論評したものであるところ、特に申立人に対する人身攻撃に及んだものではないから、公正な論評として名誉毀損は成立しない。

「たくさん産まれた子犬の行方はどうなったか」とのコメンテーターの発言
  1件しか産まれていない。何を根拠にたくさん産まれたとの発言をしたのか。産まれた子犬は当団体にて所有している。根拠のない発言で、次々と問題があるように放送をしている。

「たくさん産まれた子犬の行方はどうなったか」とのコメンテーターの発言は、本件番組中の「子犬の行方はどうしたの。たくさん生まれているはずでしょう。それはどこへ行ったの」の発言部分である。この発言部分は、上記「消えた犬、消えたワンちゃんたち」との事実の摘示と同様に、真実と信ずべき相当の理由があるから、申立人の名誉毀損は成立しない。

BRCは「以上のとおりであるから、本件番組の一連の放送については、いずれも名誉毀損や信用毀損はないし、その放送及びそのための取材活動において、放送倫理違反もない。」と結論付けています。

また、「『ムーブ!』の一連の放送についての放送倫理違反を検討するに、追跡報道としての取材には不十分な部分もあり、また、コメンテーターについては、一部発言において不適切な点はある。」としているものの、AAの主張はことごとく否定されています。

一般社会においてAAの活動の考え方が如何にずれているかがこの結果からも見て取れると思います。

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